【依存症 Vol.1】 こわい?関係ない?- なぜ依存症になるのか
【依存症 Vol.2】 自分を調節するということ
【依存症 Vol.3】 薬物乱用の危険の高い子供の条件とは
今回は、依存の成り立ちについておさらいしつつ、まとめていきます。
遺伝的要因として、キレやすいなどの衝動性の高い性格や、薬物などの脳への反応のしやすさがありました。
そして、環境因子としては、幼少期から不安や緊張の高い家庭環境や、周囲に理解者や支援者となる大人の不足がありました。
こうした状況の中、何でも自分一人で我慢しないといけない・他人は頼ってはいけない・頼りにならないといった認知、つまり、心理的に孤立した考え方が積み重なっていた中で、アルコールなどの薬物使用により、人に頼らなくても自分一人で、不安や緊張・怒りといったネガティブな感情を和らげる(麻痺させる)ことができることを体験し、繰り返し使用するようになります。
こうした繰り返しにより、次第に認知と行動面での変化が生じてきます。
辛い感情が生じると、いつも薬物などの「酔い」で解消しようとする様になる。
つまり、それまで音楽を聴いたり、友達と会ったりすることで、多少は対処できていた面が、薬物の、手取り早く 強力な 感情麻痺作用に飲み込まれ、物質乱用や 嗜癖行動 以外での 対処が、わからなくなっていきます。
その上、薬物などの反復使用により、脳萎縮など 脳や 体自体の変化が生じ、使用欲求が高まったり、耐性が生じることで、同じ量では効果が出なくなり、次第に 量が 増えていき、さらに 薬が切れた時に 離脱症状が生じるため、体もつらくなります。
離脱による体の辛さは精神の辛さ以上に苦しく、一刻も早く なんとかしたい、という衝動性が高まり、強迫的な乱用、連日連夜の使用といった 連続使用の状態に至ります。
この状態は、周囲の人には 見るに耐えない状態であり、人間関係に 新たなトラブルを 生じさせ、それが 感情的な辛さの 悪循環になります。
→【依存症 Vol.5】 ネズミの楽園
前回までのお話はこちら
→【依存症 Vol.1】 こわい?関係ない?- なぜ依存症になるのか
→【依存症 Vol.2】 自分を調節するということ
→【依存症 Vol.3】 薬物乱用の危険の高い子供の条件とは
→【依存症 Vol.4】 依存症の成り立ち
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【依存症 Vol1~4】の内容を、10分ほどでまとめています。